本日の給食は節分にちなんだ献立、「麦ごはん」「味噌そぼろ大豆」「いわしの丸干し揚げ」「かぶのゆかり和え」「うど入りけんちん汁」でした。
立春の前日を「節分」と言います。
節分には、豆をまいたり、いわしの料理を食べたり、地方によっては恵方を向いて無言で恵方巻きを食べる習慣があります。
昔は、形の見えない災害、病気、飢饉など、人間の想像力を越えた恐ろしい出来事は、鬼の仕業と考えられていました。
立春の前日ということで、季節の変わり目には、邪気(鬼)が生じると考えられており、それを追い払うための行事が節分になります。
一般的には「鬼は外、福は内」と、声を出しながら福豆(煎り大豆)をまいて、年齢の数(もしくは1つ多く)、豆を食べる厄除けを行います。
また、鬼は、いわしの臭いと、ひいらぎのトゲが苦手とされていたので、柊にいわしの頭を刺したものを玄関先に飾る風習もあります。
節分に豆をまく理由は諸説あると思いますが、『穀物には生命力と魔除けの呪力が備わっている』という信仰によるものや、『魔目(まめ)』を鬼の目に投げ、鬼を滅するという語呂合わせによるものなどが、一般によく言われています。
豆を鬼にぶつけることにより、邪気を追い払い、一年の無病息災を願うという意味合いがあるそうです。
でも、「節分」というと、あまん きみこ さんの書かれた絵本「おにたのぼうし」のおにたのセリフの方を思い浮かべてしまいます。
「にんげんって おかしいな。おには わるいって、きめているんだから。おににも、いろいろ あるのにな。にんげんも、いろいろ いるみたいに。」
おにたが出会った女の子の「あたしも まめまき、したいなあ。」「だって、おにがくれば、きっと おかあさんの びょうきが わるくなるわ。」という言葉を聞き、おにたはうろたえます。
「おにだって、いろいろ あるのに。おにだって......」
そして、おにたは氷が解けたように麦わら帽子を置いて急にいなくなってしまいます。
しかし、その帽子の中にはまだ温かい黒い豆が入っていて、女の子は「さっきの こは、きっと かみさまだわ。そうよ、かみさまよ......」と考え「ふくはー うち。おにはー そと。」と豆をまきます。
「だから、おかあさんだって もうすぐ よくなるわ。」
あまん きみこ さんの詩情豊かな文と、いわさき ちひろ さんの抒情的ですてきな絵により、「誰かのために役立ちたい」という、優しくて気のいい「おにた」の献身的な気持ちが伝わってきます。
そして、静かな夜の、ほんのり温かな豆まきの世界を味わえます。
ちなみに「都道府県別 にっぽんオニ図鑑」に拠れば、地名に「鬼」が付く群馬県藤岡市鬼石や栃木県の鬼怒川温泉などでは、節分で追い出された鬼たちを迎え入れようと、「鬼は内、福も内」といった掛け声で豆まきをするそうです。